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【素人目線で】東野圭吾の次に読むならこの作者・小説!おすすめ順で紹介(3)

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影踏み/横山秀夫

影踏み/横山秀夫 文庫本 おすすめ度星2つ

警察小説を得意とする横山秀夫さんの泥棒目線の小説というのは新鮮だが、期待外れなポイントが・・・

「影踏み」は、ノビ師と呼ばれる忍び込みプロ、真壁修一を主人公に描いた7つの短編小説から構成されるミステリー短編集です。警察小説を得意とする横山秀夫さんとしては、警察側ではなく泥棒という逆の視点から描かれた作品になっています。
横山秀夫さんの作品はとても面白く、「半落ち」を読んでからは全作品を読破しようと思っているのですが、結論から言いますと「影踏み」は外れでした。
ポイントは3つ。1つは、SFチックなところ。もともと現実味のないSF小説は好みではなく、焼死した双子の弟が主人公、修一の中耳から話しかけてくるのはどうも違和感があり、受け入れられませんでした。
もう1つは、主人公の真壁修一がピンチな場面でもたぶん大丈夫なんだろうと思わせてしまったところ。もちろん主人公なので、途中で居なくなることは無いだろうと思っていても、そういった安心感を感じてしまうとハラハラドキドキ感が無くなり興醒めしてしまいます。
最後の1つは、各短編ごとにアッと驚かせよう、どんでん返しを狙った結末が用意されているのですが、どれも分かりづらい。当サイト管理人の読解力の問題もあるかもしれませんが、分かりづらい結末だと「どういうこと!?」っていう気持ちが先行して「アッ!」とも思わないし、爽快感がない。
ただし唯一、7つの短編の第5話「使徒」だけは別格に面白かったです。衝撃的な結末と涙無しでは読めない感動ものです。連作になっているので、ストーリーが分かりづらい点もありますが、この「使徒」だけでも読んでほしいと思うぐらい、おすすめの作品です。
(単行本:2003年11月/文庫本:2007年02月)

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プリズム/貫井徳郎

プリズム/貫井徳郎 文庫本 おすすめ度星2つ

面白く読み進められるが・・・結末はあまりにもモヤモヤする

貫井徳郎さんの「プリズム」は、
・平凡だったはずの小学校の女性教師が自宅で死体となって発見。
・死体の傍らには命を奪ったアンティーク時計が。
・ガラス切りを使って外された窓の鍵。
・遺体からは睡眠薬が検出されて。
・部屋には睡眠薬が混入された箱詰めのチョコレート。
・浮かび上がる容疑者、、事件か?事故か?
面白い要素が満載です。
話の展開や登場人物の行動動機に多少の違和感を感じつつも、とても面白く読めます。大きく4章に分かれていて、それぞれの章で視点が入れ替わるので中だるみすることなく飽きずに読み進められます。
しかし、結末があまりにもモヤモヤします。結果よりも推理の過程を楽しむ小説と言ってしまえばそれまでだが、それにしてもモヤモヤする。
(単行本:1999年10月/文庫本:2003年01月)

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出口のない海/横山秀夫

出口のない海/横山秀夫 文庫本 おすすめ度星2つ

横山秀夫さんらしい作品ではなく、それでいて・・・

出口のない海は、第二次世界大戦 太平洋戦争で大日本帝国海軍が開発した日本軍初の特攻兵器である人間魚雷「回天」への搭乗を決意した若者たちを描いた戦争青春小説です。
なぜ回天への搭乗を決意したのか。命の重みとは、青春の哀しみとは―――。

横山秀夫さんらしい警察官や新聞記者などを題材にしたミステリ小説とは違う一風変わった作品で、読み始めから意表を突かれます。
戦争、しかも特攻兵器「回天」を題材にしているので、重厚なストーリー展開を期待したのですが、期待とは異なり、どこか軽さとこじんまりとした感じがあって没入感にか欠ける内容でした。
生死の狭間にいるはずの登場人物の緊張感がいまひとつ伝わりづらく、思い入れが出来なかったのも残念な点でした。
(単行本:2004年08月/文庫本:2006年07月)

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13階段/高野和明

13階段/高野和明 文庫本 おすすめ度星2つ

想像を遥かに超える犯罪者と犯罪者の家族、関係者の現実を痛いほど深く考えさせられる作品ですが・・・

13階段は、2001年に刊行された長編ミステリー小説です。高野和明のデビュー作で、第47回江戸川乱歩賞を受賞しました。
死刑、冤罪(えん罪)、司法制度、刑務所での苦悩、出所後の苦悩といった重厚かつ濃厚なテーマを扱った作品で、想像を遥かに超える犯罪者と犯罪者の家族、関係者の現実を痛いほど深く考えさせられる作品です。
・・・と序盤は感じながら読み進めていましたが、仮釈放された服役囚 三上純一と定年間近の刑務官 南郷正二が犯行前後の記憶を失った死刑囚 樹原亮の調査を開始したあたりから、ストーリー展開に違和感を感じ始めました。
さらに話が進むと、いくら何でも警察が調べているだろうということを素人の二人の調査で新しい事実が判明して話が進展したりと、リアリティを無視して作り手の都合に合わせた、かなり強引な話の持って行き方です。テーマはとても良いのに、せっかくのテーマが台無しのストーリー構成という印象です。
江戸川乱歩賞を選考委員の満場一致で受賞したとか、乱歩賞受賞作品の中でもっとも速く高い売り上げ記録(40万部)を達成したとか、いろいろと評価、評判の良い作品ですが、当サイト管理人的には、なぜそんなに評価が高いのか分からない、いまひとつな作品でした。
(単行本:2001年08月/文庫本:2004年08月)

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コンビニ人間/村田沙耶香

コンビニ人間/村田沙耶香 文庫本 おすすめ度星2つ

ちょっとヤバい人物像を作ろうとしているけど実際に居そうな現代の若者の日常を描いた作品

「コンビニ人間」は2016年に芥川賞を受賞した、村上沙耶香さんの作品で、米国・英国で出版された、ほか20を超える言語に翻訳されています。
社会にうまく適合できない、アスペルガー症候群とも思える主人公、古倉恵子さんがコンビニバイトで働く生活を描いた小説です。
幼児期の奇怪な行動や機械的な受け答えなどを連呼して、1980年生まれ、36歳の主人公が特異な存在であることを表現したいのかもしれませんが、実際にはそれほど稀ではない若者、中年の日常の姿を描いた作品です。
芥川賞を受賞したということから期待を持って読み始めました。
150頁ほどの短編小説で読みやすい平易な文章なので、あっさり読み終わりましたが、街に溢れかえるほどではないにしろ「まあこういう人、いるよね」というぐらいの若者、中年のバイト生活を書き綴った作品で何を伝えたいのかが分かりませんでした。
社会にうまく適合できない36歳の独身女性として描かれている主人公の古倉恵子さんですが、きっちりとコンビニバイトの仕事をこなしているし、物事をある意味、冷静に見れている面もあり、特異性のある人物とは思えませんでした。一部変わったところがあるのは、どんな人でもあることだろうと思います。
そんな特段変わったところのない人物が送る、特段変わったことのない日常を描いているので、何かを伝えるのは非常に難しい作品だと思います。
一体どういう理由で芥川賞を取ったんだろうか?と疑問の残る一作でした。
(単行本:2016年07月/文庫本:2018年09月)

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芥川賞とは?
「芥川賞」は通称で、正しくは「芥川龍之介賞」といいます。
純文学の新人に与えられる文学賞で、日本文学振興会(公益財団法人)によって選考が行われて、賞が授与されます。
歴代受賞には、村上龍「限りなく透明に近いブルー」や又吉直樹「火花」があります。
対して、大衆小説作品に与えられる文学賞として「直木三十五賞(なおきさんじゅうごしょう)」、通称「直木賞」があります。

純文学とは?
純文学とは「娯楽性」よりも「芸術性」に重きを置いている小説の総称です。逆に、大衆小説は「芸術性」よりも「娯楽性」に重きを置いている小説を意味します。

日本文学振興会とは?
(株)文藝春秋社内に事務所を置き、「文芸の向上顕揚を計ることを目的」として、芥川龍之介賞、直木三十五賞、菊池寛賞、大宅壮一ノンフィクション賞、松本清張賞の選考と授賞を行う公益財団法人です。


被害者は誰?/貫井徳郎

被害者は誰?/貫井徳郎 文庫本 おすすめ度星2つ

サクサクっと面白く読める短編推理小説だが、タッチが軽すぎて緊張感に欠けます

「被害者は誰?」は、頭脳も美貌も態度も規格外のミステリー作家、吉祥院慶彦が事件の謎を解き明かしていく短編推理小説です。
ほかの貫井徳郎さんの作品と比べるとかなり軽いタッチで描かれた4つの短編小説が収録されています。
事件のトリックを巧妙に仕掛けたいという思惑が見え隠れしてしまって、あっ!と驚くようなどんでん返しや種明しとはならないのが残念なポイントです。
面白いか、面白くないかでいうと面白い部類に入るのかもしれませんが、作風が軽すぎて、殺人事件でも気持ちが入らず、緊張感がありません
後悔と真実の色」や「慟哭」で貫井徳郎ファンになった方はちょっとガッカリな作品かもしれませんが、軽い息抜きでサクッと読みたいならおすすめの短編推理小説です。
(単行本:-/文庫本:2006年05月)

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乱反射/貫井徳郎

乱反射/貫井徳郎 文庫本 おすすめ度星2つ

「小さな罪の連鎖による殺人!?」題材は面白い!でも、だらだらと長い。そして結末はまぁこんなもんかという感じ

貫井徳郎さんの「乱反射」は第63回日本推理作家協会賞を受賞した推理小説で、第141回直木三十五賞の候補作品でもあります。妻夫木聡さん、井上真央さん主演でテレビドラマテレビドラマ化もされました。
小さな罪の連鎖による決して法では裁けない「殺人!?」という、いかにも興味をそそられる題材を扱った600頁近くある長編作品です。
いざ読み始めると「-44章」(マイナス44章)から始まるので、すぐに序章、話の前段だということ気付くと思います。日本推理作家協会賞でも「すでに知っている事柄の答え合わせをさせられている」感覚が強いと批評されたように、とにかく前段が長くて、くどいです。
題材が面白そうなだけに期待を持って読み進めましたが、何度か盛り上がりを見せる場面もあるものの、勢い続かず盛り上がる気配だけで終わってしまい結局、予想を裏切るような展開も驚きも無いまま、まぁこんなもんかという感じの結末で読み終わりました。
もっとテンポよく話の展開があって、最後に何か衝撃的などんでん返しがあれば良かったのになぁと「素人目線」で思いました。
(単行本:2009年02月/文庫本:2011年11月)

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クライマーズ・ハイ/横山秀夫

クライマーズ・ハイ/横山秀夫 文庫本 おすすめ度星2つ

世界最大級の航空機事故をメイン題材に扱っているのに残念なストーリー構成

「クライマーズ・ハイ」は1985年、群馬県の御巣鷹山で発生した未曾有の航空機事故「日本航空123便墜落事故」を題材に描いた横山秀夫さんの小説です。
2003年8月に文藝春秋から単行本が刊行されると、2003年の週刊文春ミステリーベストテンで第1位を獲得、2004年には本屋大賞で2位を受賞した人気の作品で、サイトなどの口コミなどでも高評価を得ています。
しかし実際に読んでみると何を伝えたいかよく分からない作品で、そんな印象なのでもちろん作品の世界にも入り込むことも出来ず、なかなか読み進められずに読み終わるのにすごく時間が掛かりました。
世界最大級の航空機事故をメインの題材として扱っているにも関わらず、親子・家族の葛藤、同僚との友情、仕事への情熱、新聞社の内紛、会社組織での生き方、職場のいざこざなど、ほかのサブストーリーの題材が多すぎです。
ズルズルと消化不良気味で読み進めて結局、何が言いたいのか、何を伝えたいのか分からないまま、読み終わりました。
せっかく歴史的な「日本航空123便墜落事故」を題材に採用しているのだから、それをメインにしっかりと伝えて、サブストーリーは1つぐらいのストーリー構成が良かったのではないかと・・・偉そうに「素人目線」で思いました。
(単行本:2003年08月/文庫本:2006年06月)

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真夜中のマーチ/奥田英朗

真夜中のマーチ/奥田英朗 文庫本 おすすめ度星2つ

ストーリーの序盤、マーチというよりもビートを刻むようなテンポの良い展開にグイグイと引き込まれたのが嘘のような・・・

真夜中のマーチは、自称青年実業家のヨコケンと商社のダメ社員のミタゾウ、謎の美女クロチェがそれぞれの思惑を抱えて手を組んで、美術品詐欺のアガリ10億円をターゲットに完全犯罪を目指す、痛快クライム・ノベルの傑作です。
裏表紙の内容紹介ベースの粗筋をみると、よくある設定と思いながらも程よく興味をそそられて面白そうと期待を持ちつつ読み始めました。

自称青年実業家のヨコケンの登場シーンから始まり、ダメ社員 ミタゾウとの出会いと、マーチというよりもビートを刻むようなテンポの良いストーリー展開にグイグイと引き込まれていました。
しかし、続いてクロチェが登場して、3人が手を組んだあたりから、なんだか雲行きが怪しくなり、その後はグダグダのドタバタ劇が続きました。
2時間で完結するテレビドラマのように、時間の都合で申し合わせたような話の展開で、小説序盤の面白さがとても勿体ないと思ってしまう作品でした。
(単行本:2003年10月/文庫本:2006年11月)

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迷宮遡行/貫井徳郎

迷宮遡行/貫井徳郎 文庫本 おすすめ度星2つ

分かりやすいストーリー設定で面白く読めるが、中盤から残念過ぎる失速。

平凡な日常が裂ける―――。貫井徳郎さんの「迷宮遡行」は、置き手紙ひとつを残して、突然、愛する妻が失踪。そもそも妻は何者だったのか!?失業中の冴えない夫、迫水が途切れそうな手がかりを追い、真相に迫る本格ミステリーです。
自信なさげでモテない夫と、愛する妻は不釣り合いなぐらいの美人妻という分かりやすい人物設定も手伝って、スッと小説の世界に入り込めます。
頼りない夫、迫水が危なっかしく、妻の失踪した理由に繋がる手がかりを辿っていくのをハラハラしながら面白く読み進められます。しかし小説中盤ぐらいから徐々に?急に?迫水の人物像がブレ始めます。
小説終盤には夫、迫水がまったくの別人の印象になっています。
さらに残念なのは小説のラスト。さすがにその結末はないだろうと思いました。小説中盤ぐらいまでは、どんな展開になるのだろうとワクワクしながら読めていたので、あまりにも残念な中盤からの失速でした。
(単行本(烙印:改題前):1994年10月/文庫本:2000年10月)

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ウランバーナの森/奥田英朗

ウランバーナの森/奥田英朗 文庫本 おすすめ度星2つ

伝えたいことは分かるけど、微妙・・・

ウランバーナの森は、1997年に刊行された奥田英朗さんの初期の頃の作品です。
世紀のポップスター・ジョンが、家族との素敵な避暑を軽井沢で過ごそうとしたが、ひどい便秘でぶち壊し。あまりの苦しさに病院通いをはじめたジョン・・・ウイットとユーモア、そして温かい思いに溢れた喪失と再生の物語。
奥田英朗さんの大ベストセラー小説「最悪を先に読んで「ウランバーナの森」を手にした方は、作風の違いにかなり戸惑うかもしれません。

「しあわせ」でありたいという自己暗示にようなもの。けれどそれのどこが悪いというのか。

読み始め、何を読まされているんだろうという戸惑いを感じながら読み進めて、小説終盤に差し掛かったところで、やっと「素人目線」の管理人なりに奥田英朗さんが伝えたいことがぼんやりと理解できた気になりました。

そんな小説終盤でも、空中ブランコに通ずるような清涼感がありつつも、わざわざジョンが便秘で苦しむ物語設定にする必要があったのかという疑問を感じました。
もっと読者に強く刺さるようなシチュエーションなら、自然と涙してしまうような小説になっていたのではないかと残念で、微妙な読後感です。
(単行本:1997年08月/文庫本:2000年08月)

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明日の空/貫井徳郎

明日の空/貫井徳郎 文庫本 おすすめ度星2つ

序章で一気に引き込まれたが、期待が高まった分だけ落差は大きく、がっかり・・・

明日の空は、鮮烈のデビュー作「慟哭」の著者が仕掛ける忘れられない青春ミステリ作品です。
帰国子女の栄美が、不安一杯で日本の高校へ転校して、気になる男の子との出会い、そして辛い別れを経験する・・・そして時は流れ、大学生となった栄美の前に現れたある人との出会いをきっかけに高校時代の思い出はまったく別の形を見せてゆく―――。

読み始めると、さすが貫井徳郎さんの文章だけあって、とにかく読みやすいです。全3章に分かれていますが、特に第1章は「青春ミステリ」の謳い文句に相応しい初々しさと甘酸っぱいさが入り混じった序章で一気にストーリーへ引き込まれます。
さらに読み進めると、第1章と第2章の話のつながりがあまりにも希薄なので、話がどう繋がるのか不安に感じる場面もありましたが「慟哭」のラスト一行の衝撃を経験しているので、布石、伏線とも言える第1章、第2章を読み進めるにつれて、どんな結末、種明かし、どんでん返しが待っているのか否が応でも期待は高まります。

終章とも言える第3章は期待外れでした。小説なのである程度、都合に合わせた展開があるのは理解できるが、トリックや行動動機、設定にあまりにも無理があり、ご都合主義でちょっと残念でした。
第1章で大きく期待が高まった分だけ落差があり、ガッカリ感も大きい、そんな作品でした。
(単行本:2010年05月/文庫本:2013年04月)

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向日葵の咲かない夏/道尾秀介

向日葵の咲かない夏/道尾秀介 文庫本 おすすめ度星2つ

リアリティのないサイコパスな小説、ちょっと頭がおかしい!?

「向日葵の咲かない夏」は、第6回本格ミステリ大賞候補になった、道尾秀介さんのミステリー小説です。
結論から言うと賛否両論分かれる作品だと思います。正直なところ、リアリティのあるミステリー小説が好みの当サイト管理人にとっては好きな作品ではありませんでした。
話の始まりからS君が死んで、一週間後、S君があるものに姿を変えて現れるまでは、明確に表現せず陰惨な印象を残す描写やミチオ君のお母さんの奇怪な行動、ミチオ君の家の謎に興味を惹かれて読み進めましたが、S君があるものに姿を変えて現れた辺りから、物語がどんどんリアリティを失い、ドキドキ感がなくなってしまいました。
「向日葵の咲かない夏」という題名から、主人公の小学生ミチオ君の少し悲しい儚い、それでいてミステリー(不思議・謎)がある夏休みの思い出話かなと勝手に想像していましたが、まったく子供におすすめする要素がありません。かなりサイコパスな内容です。英会話学校講師殺害事件の市橋達也受刑者が逮捕時に所持していたということも頷けます。
ミチオ君のお母さんや家の謎が気になって一応最後まで読み切りましたが、ストーリーとあまり関係のない回想話がでてきて、結局、驚きもドンデン返しもなく、謎が解けるというのか、事情が分かったというのか、、、なんだかスッキリしない終わり方です。
道尾秀介さんの作品はもう1作品ぐらい読んでみて、同じ展開、同じ印象なら、それ以降は無しかなという感じです。
この手のサイコパスな小説は好きな人は好きなのかもしれませんが、当サイト管理人としては読み過ぎて慣れてしまうと本当に精神がおかしくなってしまいそうで怖いです。
(単行本:2005年11月/文庫本:2008年07月)

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椿山課長の七日間/浅田次郎

椿山課長の七日間 浅田次郎 文庫本 おすすめ度星2つ

死後の世界をほのぼのと描いた作品

良く言うと死後の世界をほのぼのと描いた作品ですが、悪く言えば、緊張感がなくダラダラとストーリーが進んでいきます。
「邪淫の罪」での和山椿と佐伯知子とのやり取りにはキュンときましたが、涙するほどではない・・・という感じです。
死後の世界に加えて、不倫や痴呆症など、重厚なドロドロとしたテーマを扱っているにもかかわらず、あまりにも人間臭くなくサラッとしたうわべの描写で表現しているところがイマイチ。

世間一般的には評価の高い作品!?なのかもしれませんが

読んでる途中も次!次と、次の展開が気になるという感じで引き込まれることもなく、結局、何が言いたかったのかよく分からないまま読み終わりました。
かる~く読みたいという人には面白いのかも???しれませんが、涙する感動作品かと言われるとちょっと違う感じがしました。
初めて浅田次郎さんの作品を読んだので、素直に作品に入り込めなかったのかも!?と思いつつも、残念ながら浅田次郎さんの別の作品を読もうという気持ちにはなりませんでした。
(単行本:2002年09月/文庫本:2005年09月)

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十角館の殺人<新装改訂版>/綾辻行人

十角館の殺人<新装改訂版>/綾辻行人 文庫本 おすすめ度星2つ

新本格ミステリーを知るための名作らしいですが・・・

1987年に刊行されたミステリーの名作「十角館の殺人(じゅっかくかんのさつじん)」の新装改訂版です。
オリジナルは推理作家、綾辻行人のデビュー作品です。日本ミステリー界に大きな影響を与え、新本格ミステリーブームを巻き起こしたとされる超人気、超有名な作品です。
おすすめの推理小説といった特集では必ずといっていいほど名前の挙がる作品・・・と、これだけ評判のいい作品なので楽しみに読み始めてみましたが、正直なところ、あまり面白くなく、話の世界に引き込まれることもなく、なかなかページが進みませんでした。
とりあえずミステリーの名作なので完読しておきたいという気持ちだけを支えにして読み進めました。

衝撃の一行にはインパクトがあったものの、挙げればキリがないダメ出しポイント。。。

登場人物の描写が薄っぺらくて、個性がなくキャラクターが掴めないため、ストーリーに思い入れができない。
また無人島にみんなで合宿?という違和感たっぷり、無理矢理な感じが否めない条件設定もイマイチです。
巷の評価では絶賛されている「ストーリーの真相を突く衝撃の一行」は、確かにインパクトがありましたが、種明かしのトリックに「あっ、そんな手があったか!」と鮮やかに読者の期待や推測を裏切るという感動、感嘆がなく、アリバイ工作に犯人が寝る間を惜しんで頑張りましたみたいな感じで、読後の爽快感やスッキリ感がありません。
(単行本:1987年09月/文庫本:1991年09月、2007年10月)

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ホワイトアウト/真保裕一

ホワイトアウト/真保裕一 文庫本 おすすめ度星1つ

情景描写がとにかく多くて長くて分かりづらい。残念ながら、次に真保裕一さんの作品を読むことは無いと思いました。

真保裕一さんの「ホワイトアウト」は日本最大の貯水量を誇るダムを武装集団が占拠して、職員やダムふもとの住民を人質にとって50億円の身代金を要求するアクションサスペンス小説です。
福島県の奥只見ダムがモデルになっています。ちなみに奥只見ダムは貯水量では国内2位で、1位は岐阜県の徳山ダムです。
1995年に新潮社から単行本が出て、1996年に吉川英治文学新人賞を受賞。別冊宝島の「このミステリーがすごい!」で国内部門1位に選ばれて、120万部を超えるベストセラーになっています。
といったように、ストーリ設定も周りの評判も前情報はかなり面白そう!というのが第一印象でした。
いざ実際に読み始めてみると、景色だとかダムの様子や雪山の景色だとか情景描写がダラダラと、とにかく多くて長い、情景描写だけでかなりのページ数を割いています。
またその情景描写が分かりにくく、すっと風景が思い浮かんできません。文章が分かりづらい上に、登山用語やらダム構造物の専門用語やら分からない単語が連発されるので、まったくイメージが浮かびません。
600頁を超える、なかなかの長編小説ですが、情景描写をコンパクトにもっと分かりやすく半分ぐらいにまとめれば、スカッと読み終われるボリュームになったのではないかと思いました。前回読んだ真保裕一さんの作品「奪取」のように途中で断念せずに、「ホワイトアウト」は一応読み切りはしましたが残念ながら、たぶん次に真保裕一さんの作品を読むことはないなぁと思わせる作品でした。
(単行本:1995年9月/文庫本:1998年8月)

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アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎

アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎 文庫本 おすすめ度星1つ

評価が高いので、とにかく読んでみました。

本屋襲撃やペット殺しの犯人との遭遇、追跡、HIV感染など、刺激的で面白そうな題材が満載にもかかわらず、なにやら緊張感がなく、締まりのないストーリー展開に辟易としながら読み進めました。
結局どこでなにが面白いのか、まったく分からないまま読み終わりました。「なんだこれ??」っていうのが正直な印象です。

期待外れ!読解力の問題?

当サイト的には最低レベルの評価。読んで失敗した~~と痛感した作品です。
ただ世間的には非常に高い評価をしている人が多く、面白いという評判の作品なので、単に当サイト管理人の読解力、感受性の問題なのか?と自分を疑ってしまうほどのギャップがありました。
何か大きなきっかけがない限り、この先も伊坂幸太郎さんの作品は手にしないと思います。
(単行本:2003年11月/文庫本:2006年12月)

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奪取/真保裕一

奪取(上)/真保裕一 文庫本 おすすめ度星0.5個

小説ではなく筆者の技術調査の発表資料のようでした。

真保裕一さんの「奪取」は、もともと1994年から1995年に「夢の工房」というタイトルで連載されたものを加筆、訂正して題名を変更して刊行されたサスペンス小説です。上巻と下巻を合わせて1,000頁に迫る超長編大作です。
1,260万円。友人がヤクザの街金にハメれらて作った借金を返すために偽札造りに挑むというストーリー。
金策の手段が、強盗や窃盗、博打・ギャンブルではなく、「偽札造り」という意表を突いたところに興味をそそられました。

題材は面白そうでしたが・・・小説としての中身はなく完読放棄

しかしながら、いざ楽しみに読み始めると・・・とにかく、やたらと技術紹介が多い。紙幣に適用されている偽造防止(透かしやホログラム、特殊インクなど)、自販機の硬貨識別の方法やパーキングの料金投入機の仕組みなど、長々とその技術についての説明文が続きます。
おそらく真保裕一さんは大変な時間をかけて苦労して調べたので、それを披露したいのかもしれませんが、まるで技術調査の発表資料のようです。
ストーリー展開や登場人物の心理描写よりも技術説明の文章がはるかに多いので話が入ってきません。ドキドキ感がなく、まったくストーリーに引き込まれないまま話が進んでいきます。
またこれは技術説明とは別の難点ですが、登場人物がどんな場面でも飄々としていて緊張感がないという点にも違和感があります。
ヤクザに追い込まれて偽札造りで金策するという展開なのに、どうもヤクザに対する恐怖心がまったく感じられないので、主人公に感情移入できません。
技術説明は充実していましたが、サスペンス小説としてはあまりにも中身がスカスカでした。
長々として技術説明もどこかで収束するかなと期待して、我慢しながら上巻をほぼ読み終わりましたが、下巻もこれが続くのか・・・と思うと嫌になり読むのを諦めました。滅多に完読を放棄することはないのですが、この作品は1,000頁近い長編大作ということもあり、さすがに疲れました。
技術説明を簡潔にして、500~600頁ぐらいの作品にすれば、締まりのあるストーリー展開になったのでは、と思います。
(単行本:1996年08月/文庫本:1999年05月)

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